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■作品説明
高校生の大木大樹は、以前より想いを馳せていた小川杠に自分の気持ちを告白しようとしていた。その宣言を聞いた幼馴染の石神千空から心の籠っていない激励を受け、大樹は杠を学校のクスノキの木の前に呼び出して告白に臨む。ところがその刹那、突如空が眩く発光し、地球上の全人類が一斉に石化するという怪現象に襲われてしまう。
五感を失い身動きが取れない大樹は、「杠への想い」だけを糧に長い年月を耐え続けた末に石化から復活するが、目前には樹木が生い茂り、風化した景色が広がっていた。大樹は一足先に石化が解けて目覚めていた千空と再会を果たし、彼からこの世界が自分達の時代からおよそ3700年経過しているという現状、そして人類が消えて滅んだ世界で自力で文明を再建させるという決意を聞かされる。
自分達の石化が解けた原因が「石の腐食」であると考え、約半年に渡る実験を経て石化を解く「ナイタール」を完成させる。早速、完成品を杠に使用しようとしていた矢先、野生のライオンの群れと遭遇してしまった二人は、逃走する途中“霊長類最強の高校生”と詠われていた格闘家である獅子王司を復活させて助けてもらい、危機を脱する。しかし、司は自身の思想に合わない人間を容赦なく排除する危険人物だった。司の本性を知った二人は杠を復活させ、司を倒すために一時的な逃走を図る。
司に対抗できる力を得るため、一同は千空の提案で、火薬の原料である硫黄確保に箱根へと向かうが、その動向を推察した司もまた箱根へと追跡に向かう。箱根についた三人は遠くに上がる狼煙を見て、自分達以外にも生きている人間の存在を知るが、司に杠を人質に取られ、やむなく復活液のレシピを司に教える。「科学文明の破棄」を目論む司は千空に科学文明を発展させないと約束を求めるが、純然たる科学の徒である千空は、最期まで彼の脅迫を頑なに断り続け、遂に頸椎を折られて殺害されてしまう。
大樹は友の死を嘆き、その遺体を抱えて杠と共に司から離れるが、千空の人格を知る大樹はそれゆえに「杠を庇って千空が死んだ」事実に疑問を抱く。
実は千空の首筋には石化が残っており、千空は石化解除時には治癒の効果もあるという仮説を立てていて、それによる蘇生に賭けたのだ。その意図に気付いた大樹と杠は残された復活液をもって千空の蘇生を試みる。